
内臓脂肪と皮下脂肪
新型のコロナウィルスがいくらまん延しようとも、私たちの健康への意識は、衰えるどころかかえって高まるばかりです。肺炎といった直結する病気には気を付けよう、免疫力を高めて罹らないようにしよう、と、再認識した方も多いのではないでしょうか。
食べ物にも気を使い、コロナ禍であってもできる運動は何か調べ、体調を良好に維持するための努力を惜しまない。そんな方も多いかと思います。特に運動不足で、体重が増えてしまった人にとっては、ダイエットへの注目度は増す一方です。
見た目の痩せている体形を気にすることもあれば、健康診断で内臓に蓄積されたワルモノに目を向けることもあります。いずれにせよ大敵は過剰な脂肪であり、健康に害をなすことから悪者扱いされています。しかしながら本来の脂肪の役割は、以下のように重要です。
・脂肪は三大栄養素の一つであり、重要なエネルギー源である
・ホルモンなどを構成したり、臓器を保護し体を寒冷から守る働きがある
・脂溶性ビタミンである、ビタミンA・D・E・Kの吸収を促す
問題は、人々が豊かな暮らしを実現するにつれ、脂肪を過剰に蓄積してしまうことにあります。特に内蔵の周りに付く内臓脂肪は、比較的健康に害を成す影響度が高いとされており、少しでも減らすことが重要といわれます。
・内臓脂肪は目に見えにくく、いつの間にか蓄積されてしまっていることがある
・性差として男性につきやすい傾向にあり、ホルモンの関係上女性にはつきにくい
・つきやすく落としやすい脂肪だが、生活習慣病などのリスクを高める一因になる。
上記は内臓脂肪の特徴を記載したものですが、これと区別されるものとして、皮下脂肪があります。
・皮下脂肪は見た目でわかりやすく、皮膚の下の皮下組織につく
・内臓脂肪とは反対に、女性につきやすく男性につきにくい
・外見に影響が大きい脂肪であり、一度ついてしまうと落としにくい
内臓脂肪と皮下脂肪は、単純にエネルギーの蓄積が消費を上回れば、その分蓄えられていきます。お金でいうと、いざという時の貯金のようなもので、生命が脅かされる状態であれば、その貯金を払い出し、命をつなぎます。
幸い、現代の私たちは、そのような窮地に追い込まれることは少なく、逆に飽食の時代、美味しいものが溢れているので、どうしても過剰な脂肪を蓄積してしまいがちです。
ありきたりではありますが、適切な食事や運動で、脂肪を適度にとどめ、健康維持に努めたいところですね。